中国格下げ、バブル崩壊か?


ムーディーズ・インベスターズ・サービス
(Moody's Investors Service)は、
中国の経済成長が減速し負債が増加し続ける中、
経済の財務力が低下すると予想。


金融リスクの増大の課題を中国政府が抱えていることから、
自国通貨建てと外貨建て格付けをAa3からA1へ1段階引き下げた。


今回の格下げは、中国の潜在成長率の低下に伴い
経済全体の負債が増加し続けていることを背景に、
中国の財務体質が低下するとの見通しを反映した結果だと説明した。






中国の財務省は、ムーディーズが1989年以来
初めて格下げしたことについて、
「ムーディーズは、中国経済が直面している困難を誇張し、
 構造改革をすすめる中国政府の能力を過小評価している」と、
経済へのリスクを過大評価し「不適切な方法論」に基づいたものだと反論。


中国は今年、金融リスクと資産バブルの封じ込めを
最優先課題と位置づけている。


同時に、公的成長目標を達成するため、
経済を景気刺激策にますます依存させる可能性が高く、
「改革の進展が経済と金融システムを時間をかけて
 変える可能性があるが、経済全体の債務の実質的な上昇と、
 それに伴う政府の偶発債務の増加を防ぐ可能性は低い」と
ムーディーズは述べた。


格下げは、中国政府と国有企業の借入コストを
やかに上昇させる可能性があるが、
投資適格格付けの範囲内で快適に留まる。


「昨年の初めに世界的なリスク感情の正面と中心にいた後、
 ヨーロッパとアメリカの政治が脚光を浴びる中で、
 中国の景気減速の話はほとんど忘れ去られた」


2016年3月、ムーディーズは、
債務の増加と当局の改革能力に対する不確実性を理由に、
中国の格付け見通しを安定的からネガティブに変更。


ライバルの格付機関であるスタンダード&プアーズも、
同じ月にAAマイナスに格下げした。


「われわれは格下げのリスクと理由を理解しているが、
 中国は独占的なシステム(閉鎖的な資本勘定と
 すべての重要な部門に対する強力な政府統制)のために、
 より高い債務水準を許容することができる」


当局は過去数ヶ月にわたって借金や住宅リスクを
抑制するための努力を強化しており、
最近のデータでは、第1四半期に6.9%の
好調な経済成長が見込まれている。


中国の潜在的な経済成長は、
今後数年で5%に低下する可能性が高いが、
財政刺激策の追加的な投与のために冷却剤の漸減が
見込まれるとムーディーズは述べた。


国家開発改革委員会(NDRC)は、
企業のレバレッジを下げる措置が初期結果を達成し、
債務によるシステミックリスクが比較的低いため、
債務リスクは一般的に制御可能である。


しかし、政府の負債が大幅に増加したことで、
政府はある時点でそれを解決しなければならず、
明らかに政府債務の大幅な増加を意味すると述べた。


ムーディーズは、政府の直接負債が2018年までに
GDPの40%に向かって徐々に上昇し、
10年末までには45%に近づくと予想している。


経済学者の中には、不良債権処理が進む中で、
中国の大規模な救済措置が避けられないと考えている人が増えている。


昨年9月、国際決済銀行(BIS)は、中国の過剰な信用の伸びが、
3年以内に銀行危機のリスクを増大させると警告した。



0 件のコメント:

コメントを投稿